50度洗い信者は50℃の風呂に入ってこい

最近知ったのですが「50度洗い」という食材の下処理方法があるようです。
50℃のお湯に数分間食材をつけるそうです。

50度洗いとは?

2012年ごろに「スチーミング調理技術研究会」の代表「平山一政」という方が提唱し始めたようです。
インチキを垂れ流したこの人の罪は重いでしょう。

こちらの書籍の内容紹介によると、効果は次の4つらしいです。

  1. 食べ物がより美味しくなる
  2. 栄養素が増えて体にいい
  3. 肉や魚は表面の油が落ちてヘルシーに
  4. 食材が長持ちする

1、2、4はまあどう考えてもウソでしょう。
3については効果はなくはないですが、表面の脂肪が少し落ちるだけでほぼ効果はないと考えられます。(超薄切りにすれば効果はあります)

しかし、実際においしくなったなど、インチキくさいことを書いているサイト、口コミが存在します。これは業者の宣伝もしくは、アフィリエイト記事のためのインチキの可能性が高いです。くれぐれも信じないように注意しましょう。

50度で洗って食材が長持ちするわけがない

50℃というのは植物にとって非常に高温です。平気で細胞が死にます。
育てている花や野菜に50℃のお湯をやってみてください。翌日には葉がしなびていることでしょう。
50℃のお湯につけて冷ましたところでおいしいサラダができるわけありません。

また、葉野菜は沸騰したお湯で短時間ゆでるものです。
中途半端な温度のお湯につけたり、水からゆでたりすると茶色っぽくなったりして、味も落ちます。(実際にやってみてください。)
こんなこと常識なのに、「50度洗い」だの言っていることが信じられません。

※植物に50℃前後のお湯をかけることでヒートショックが起こります。このヒートショックから回復するときの副作用的な効果で植物の免疫力が上がるとされていますが、研究段階なうえに難易度が高く、実用化されているのはいちごの葉やきゅうりの葉くらいです。少なくともヒートショックによって野菜が長持ちするとか、しなびた野菜が元気になる効果はないです。

あさりの50℃砂抜きはウソ

まず砂抜きというのは、あさりがプランクトンを摂取する際に飲み込んだ砂を吐かせることです。
海水と同じくらいの温度、塩分濃度の食塩水につけると、あさりが呼吸して砂を吐きます。
そのため、あさりが生きていないと砂抜きはできません
砂抜きをするなら20℃の3%食塩水に半日つけておくのが最高効率です。

さて、この「50度洗い」がどう"進化"してしまったのかはわかりませんが、50℃のお湯にあさりをつけると15分で砂抜きができるという、これまたインチキ情報が出回っています。

貝類は高温に非常に弱く、すぐに痛んでしまいます(死んでしまいます)。
あさりの温度耐性の論文は検索するとそこそこHitしますので目を通して見ましょう。
こちらの論文から引用ですが、かなり温度耐性がないことがわかります。

夏季高温下におけるアサリのへい死
http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010873366

水温が 40℃を超えると 1~ 2時間以内に死亡し、 35℃以上の水温が 24時間持続するとほぼ全数が死亡する

上記から察するにあさりを50℃のお湯なんかにつけたら1分持たないでしょう。
15分も50℃の中途半端なお湯につけたら折角のあさりが台無しです。

ちなみに、我々人間ですら50℃の風呂には数秒入るのがやっとです。
入ったところで、ヒートショックを起こして死亡するなり、低温火傷で皮膚がはがれるなりで、非常に危険です。最悪死にます。

さて、あさりというのは非常に身近で、庶民の食べ物です。それゆえスーパーで売っているあさりは、さっと洗ってすぐに使えるように砂抜きしてある場合がほとんどです。
おかげで半額のあさりを見つけてはしょっちゅうの吸い物を作っています。砂抜きすればよかったと感じたことはありません。

「50度洗い」で砂抜きの効果があったと謳っている人は、スーパーで買った砂抜き済みのあさりを50℃のお湯につけて効果があったと言っているだけにすぎません。

なお、砂抜きが必要な場合はラベルに表記してあります。
心配なら鮮魚担当を呼び出してもらってきいてみましょう。

総括

「50度洗い」はインチキです。食材がおしくなる、長持ちすると謳っていますが、実際は真逆です。まずくなる、ダメにするというのが真相です。
アフィリエイト記事のために書いているインチキにだまされてはいけません。

食品系の話ですと、他にも「水素水」を筆頭に、あの手この手で頭の悪い人を相手に金稼ぎを講じてきます。

インチキ情報にに踊らされる前に自分の頭でよく考えましょうね。